イライラ・やる気が出ない・性欲低下

テストステロンとは

代表的な男性ホルモンとしては、「テストステロン」が挙げられます。テストステロンは、筋肉や骨格を作り上げるのに関わっている男性ホルモンで、「男性らしさ」を作るのに不可欠な存在です。思春期になると一気に分泌量が増加し、それによって身体や精神が大きく発達していく「第二次性徴」が起こります。 ほとんどの場合、10~20代をピークに分泌量が一気に増えていき、その後はゆるやかに低下していきます。
なお、テストステロンの分泌量は、患者様のライフスタイルやストレスなどの要素で大きく左右します。40代以降から一気に減ってしまう方も珍しくありません。 一方、80代以上になっても、40代の平均値を維持し続けている方もいます。

テストステロンの3つの重要な働き

筋肉や骨格の成長を促す

第二次性徴期を迎えると、背が一気に伸びたり声が変わったり、ヒゲが濃くなったりします。
これらは思春期に、テストステロンがたくさん分泌されることによって起こるものです。

性欲や性衝動を起こさせる、勃起のスイッチを入れる

「骨盤神経に働きかけて勃起を促す」「フェロモンを放出する」といった、性行動において必要不可欠な役割を担っています。

前向きな思考や高い集中力、やる気を働かせる

大脳に作用するホルモンですので、ポジティブ思考や決断力を高める働きも持っています。
また、気力を高めるといった、精神的な影響も与えます。

テストステロンが減少するとどうなる?

テストステロンは、男性の身体と精神に大きく関わっているため、分泌量が減るとあらゆるトラブルが起こります。
現れる症状の内容は一人ひとり違うので、お悩みの方はご自身の症状について、きちんと理解する必要があります。

性行動にまつわる症状

  • 性欲が減る、性的興奮しにくくなる
  • 朝勃ちが減る

身体的症状

  • 頻尿、残尿感がある
  • 筋力が衰える、力が入りにくくなる
  • 休息を取っても疲労感が取れない
  • 腹部の脂肪が増える(腹囲が増えてしまう)
  • メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満に加えて、高血圧や高血糖、脂質代謝異常が重複している生活習慣病)

精神的症状

  • 気分の落ち込み、イライラしやすくなる
  • 急に不安になる
  • 不安感による不眠、寝付きが悪くなる
  • 気力や集中力、記憶力が下がる

自律神経症状

  • 動悸、息切れ
  • のぼせ、多汗、手足が冷える
  • 耳鳴り、めまい

上記に挙げた症状は、テストステロンが減ることによって現れる症状の代表的なものです。 その中でも特に見落とされやすいのは、多汗やのぼせ、めまい、頭痛、倦怠感、疲れやすさなどといった、自律神経失調症の患者様によく見られる症状です。
これらも、テストステロンが減ることで起こり得ます。テストステロンの数値が減ってホルモンバランスが乱れた結果、交感神経と副交感神経のバランスがうまく調整できなくなったことで、先述した症状が起こるのではないかと考えられています。
また、糖尿病の既往歴を持っていて、かつテストステロンの減少も見られる男性の場合は、血管疾患(動脈硬化など)の発症リスクがそうでない方よりも5倍も高いと研究で報告されています。

テストステロンが減少する原因

テストステロンの分泌量は、20代をピークとしています。それ以降はゆっくり減っていきます。そのため症状も、少しずつゆっくり現れていくのです。 しかし、テストステロンはどの年代でも、環境の変化や人間関係によるストレスなどによって、一気に減ってしまう可能性があります。
まず、人間はストレスを感じると、体内で抗ストレスホルモンの「コルチゾール」が放出されます。コルチゾールは、私達をストレスから守るために働く物質ですが、過剰に分泌され続けるとコルチゾールを作り出す「副腎」が疲れてしまいます。
そうなると、副腎で作り出される「DHEA」という、テストステロンの元となるホルモンが生成できなくなります。 そのためどの年代でも、「過度なストレスでテストステロンが減ってしまう」といった現象が起こるのです。 このように、テストステロンの減少において「加齢」と「過度なストレス」は、大きく関わっています。

テストステロンの減少と男性更年期の関係

男性更年期障害とは、LOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)とも呼ばれている疾患です。テストステロンの減少に伴って身体的・精神的症状が現れる疾患として、近年注目されるようになりました。 しかし、女性の更年期障害と比較すると、未だに認知度は十分と言えません。
女性の「閉経」のように分かりやすい原因がない分、他の疾患と誤診されてしまうケースも多くあります。 ほとんどの方が40代以降に発症しますが、30代や70代で発症する方もいるので、「何歳になると発症する」と断言できません。
発症期間も一人ひとり違うため、テストステロンが減り続けている80代以降になっても、症状に悩み苦しんでしまう方も少なくありません。
症状の内容につきましても、「精神的症状がひどい」といった方や、「性機能への悪影響が大きい」といった方まで、非常に多岐にわたります。なお、初期の場合は、性機能に関する症状が現れる傾向があります。

詳細はこちら

テストステロンが減少しているかの検査方法

まずは、当院で検査を受け、テストステロンが減っているかどうかを調べていく必要があります。
男性更年期の可能性がある場合は、まず問診や身体測定を受けていただき、お悩みの症状がテストステロンの減少によるものなのか否かを調べていきます。
また、症状の重症度を調べるためのチェックシートに記入いただくこともありますが、この段階では、お悩みの症状がテストステロンの減少によるもなのかが分かりません。血液検査もしくは毛髪採取によるテストステロン値測定を行ってから、確定診断を下します。
血液検査では「フリー(遊離型)テストステロン」の数値を調べていきます。なお、フリーテストステロンの数値は起床時をピークとし、午後になるにつれて下がっていきます。
そのため、午前中に検査を受けるよう勧めています。
他の診療科でも検査は受けられますが、一般の健康診断などでは分からない内容が多いので、検査は専門的な治療・指導を受けられる医療機関にて受けましょう。

イライラ・やる気が出ない・性欲低下でお悩みの方は当院へ

このページを読んでいる方の中には、「専門外来はハードルが高い……」と抵抗感を抱く患者様もいるのではないでしょうか。 しかし、テストステロンが減ることで起こる諸々の症状は、放置していてもなかなか改善できません。むしろ、悪化しやすくなります。 精神的症状がひどい場合は「うつ病」「パニック障害」と誤診される可能性もあります。また、性機能の症状がある場合、泌尿器系の疾患と誤診されてしまうケースも多いです。
誤診を防ぐには、専門外来で治療を受ける必要があります。 当院は泌尿器系の診療を専門的に行っていますので、あらゆるケースに考慮しながら、正確な診断を下すことができます。
当院では、ART(アンドロゲン補充療法:テストステロンを直接補う治療法)やストレスを減らす生活改善指導、カウンセリング、食事指導、そして薬物療法(性機能改善薬、抗不安薬など)などの中から、患者様に合った方法を選んでいきます。
テストステロンは、年齢やライフスタイルによって増えたり減ったりする可能性が高いため、一人ひとりの状況やタイミングに合わせて治療を始めていく必要があります。 お悩みの方は、まずお気軽に当院へご相談ください。

ART(アンドロゲン補充療法:テストステロンを直接補う治療法)を自費診療で受けられる方の費用

初診料 7,500-15,000円
再診料 0円
注射料 5,500円
TOPへ