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熱中症と泌尿器科の関係

連日、暑い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

(本日の北区の気温は39℃を超えています!)

 

夏は泌尿器科が忙しくなると言われていますがご存じでしたか?

普段から尿の回数が多い方は

 

「汗で体の水分が出ていくからトイレの回数が減って夏は調子がいいのに?」

 

と思われる方もいるかと思います。

その通りなのですがこの暑さの中ですと、今まで通りの水分の取り方だとすぐに脱水が起きやすい状況になっているということです。

 

脱水になると尿管結石ができやすくなり、尿管を閉塞させ水腎症となり緊急手術で尿管ステント留置を行わなくてはいけなくなり、忙しくなっています(ほかにも理由はありますが)。

 

最初のブログは泌尿器科について書こうかと考えていましたが、暑すぎて熱中症が騒がれていることもあり、少し前の論文ではありますが熱中症の対策と予防についてまとめてみようと思います。

 

The New England Journal of Medicineという有名な雑誌(最も権威のある雑誌の一つです)に2019年に掲載された、

 

Heatstroke = 熱中症

 

の論文をご紹介します。

 

まず熱中症は、熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病に分類されます。

暑い環境下での体温調節がうまくいかず、体内温度が上昇してしまい非常に危険な状態になっています。

 

熱中症の疑いがある人に出会った際に、誰でもできる処置のポイントをまとめました。

 

【予防策】

適切な水分補給 :  暑い日や運動時は、こまめに水分を摂るようにしましょう。

特に、水分を失いやすい子供や高齢者は注意が必要です。

 

適度な服装 :  通気性の良い服装や帽子を着用して、直射日光を避けるようにしましょう。

軽い色の服装を選ぶと、熱の吸収を軽減できます。

 

涼しい場所での休憩 :  外出時には、涼しい場所で定期的に休憩を取りましょう。

特に屋内のエアコンのきいた場所が適しています。また人と一緒に行動することも有効です。

 

熱中症情報の確認 : 外出前に天気予報をチェックし、熱中症注意報や警戒レベルを確認しておきましょう。

 

 

【症状と対処法】

体温上昇 :  意識がある場合はクーリング(冷却)をしながら医療機関へ受診しましょう。

意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

 

 ※クーリングの方法として、首(手首、足首、首)や腋の下、足の付け根を冷やすのが有効です。

 

 ※微温湯(40℃程度のぬるま湯)をかけて、あおぐor扇風機を当てるのがよいです。冷水をかけると毛細血管が収縮してしまい、熱の発散ができなくなってしまいます(これ豆知識です)。

 

 ※体温上昇しないタイプの熱中症もあります。

 

めまいや頭痛、激しい動悸 :  直ちに涼しい場所に避難させ、水分と塩分を補給して安静にしましょう。

 

 ※OS-1は熱中症の適応があります!

 

意識障害 :  すぐに周囲に救助を求め、横にして安静にさせましょう。

 ※転んで頭をぶつけないように気を付けてください。

 

 

子供や高齢者、慢性疾患を持つ方は、熱中症になりやすい傾向がありますので特に配慮が必要になります。

 

熱中症は予防できます!!

 

暑い季節や運動時は、体調管理に気を付けて、適切な対策を行いましょう。

熱中症の症状を見逃さず、早めの対処が重要です。万が一の際には遠慮せずに医療機関への受診を行い、専門家のアドバイスを仰ぎましょう。

 

 

最後に泌尿器科と熱中症について少しだけ。

泌尿器科でよく処方される抗コリン薬について。

アセチルコリンという神経伝達物質の作用をブロックすることで様々な症状を改善させるため、過活動膀胱や神経因性膀胱に対して処方されることがあります。

抗コリン薬には発汗抑制血管拡張抑制作用があり、体温調節がうまくできずに熱中症になりやすくなる可能性があります。

だからと言って飲んではいけないというわけではなく、

 

「自分は熱中症になりやすいんだ!」

 

ということを理解していてください。

 

予防をしていただければ内服自体は問題ありませんのでご安心ください。

 

そして暑くて困った場合、当院涼しいです。涼みにいらしてください。

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